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キーンコーン…
「きりーっ」
チャイムが鳴り、寝起きの耳に号令の声が響く。
「あーとざいましたー」
ガタガタッ…
いつも通りに授業が終わり、ある者は大きなあくびと背伸びを、またある者は黒板を写し、またまたある者は大集団でトイレへ向かい大声で歩きだした。
「雅、俺やべーよ!英語の予習やってねー!」
上記のある者の一人、寝起きの体に背伸びをしていた森久保雅(もりくぼ みやび)に、面倒な厄介者が駆け寄る。
「……ふーん。」
「ふーん。って!お前冷てーのな!もう知らない!かずくん怒ったからね!ぷんぷんっ!」
「うわっ、うざっ」
川浜高校2年3組。
授業前に近藤和(こんどうかず)が泣きつき、雅が受け流す様子は、今や日常茶飯事となりつつある。
「もう!ちょっと和やめてよ!
」
「頼むよ雅~、俺本当にやばいんだって!」
「そんなのやってないアンタが悪いんじゃない!」
ガラガラッ…
いつものようにくだらない戦いを繰り広げていると、教室の茶色い扉が開き、見覚えのあるシルエットが姿を見せた。
「森久保ー!おーい!森久保いるかー!」
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