高校2年17歳。

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キーンコーン… 「きりーっ」 チャイムが鳴り、寝起きの耳に号令の声が響く。 「あーとざいましたー」 ガタガタッ… いつも通りに授業が終わり、ある者は大きなあくびと背伸びを、またある者は黒板を写し、またまたある者は大集団でトイレへ向かい大声で歩きだした。 「雅、俺やべーよ!英語の予習やってねー!」 上記のある者の一人、寝起きの体に背伸びをしていた森久保雅(もりくぼ みやび)に、面倒な厄介者が駆け寄る。 「……ふーん。」 「ふーん。って!お前冷てーのな!もう知らない!かずくん怒ったからね!ぷんぷんっ!」 「うわっ、うざっ」 川浜高校2年3組。 授業前に近藤和(こんどうかず)が泣きつき、雅が受け流す様子は、今や日常茶飯事となりつつある。 「もう!ちょっと和やめてよ! 」 「頼むよ雅~、俺本当にやばいんだって!」 「そんなのやってないアンタが悪いんじゃない!」 ガラガラッ… いつものようにくだらない戦いを繰り広げていると、教室の茶色い扉が開き、見覚えのあるシルエットが姿を見せた。 「森久保ー!おーい!森久保いるかー!」
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