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まるでオレを救世主のような目で見る不審者集団の男。
不審者集団の中では結構な美男子だからリーシャがイジメたくなる気持ちも…………そんな特殊な性癖持ち合わせちゃいないから分からないけどな。
「とりあえず助けてやったんだから魔女の生け贄に捧げられたくなかったらオレが今から質問する事に答えろ。
尚、拒否権と黙秘権は与えないので3秒以上の沈黙は逆らうと見なすのでご了承下さい。」
「な、何でも答えますからその…………魔女を少し遠ざけてもらえませんか?
命と言うより男としての生命の危機が────」
「誰が魔女ですか誰が。
やっぱり一回果てさせてから踏み潰し────」
「お前暫く眠ってろ。」
最早言葉でリーシャを黙らせるのはミシェル以外に無理だと判断したオレは、
《木霊の大宝生命樹》のスキル──《睡蓮花》を発動させ、
左手の平から生えた花の花粉でリーシャを眠らせる。
リーシャという邪魔者を排除し単刀直入に誰の命令でオレ達を襲ったのか聞いてみると、
「そ、それは…………」
「オーイ、リーシャ起きろー。」
「言います言います!!!
お願いですからその方を起こさないで下さい!!!」
少々言って良いのか渋り目を泳がせたのでリーシャを起こすフリをしてみると、
トラウマを植え付けられたのであろう不審者集団の男は男としての生命の危機に聞いてもない事まで吐いた。
「成る程ね…………でもよ、世のため人のために働く(大嘘)陰陽師(偽)を捕らえるっておかしくね?
一応オレ達は報酬に応じて働きの度合いを変える現実的な正義の味方だぞ?」
こいつの話によると、オレ達を引っ捕らえるように命じたのはこの街を治める安西氏らしい。
だがオレ達陰陽師(偽)を捕らえる正当な理由は聞いておらず、この街の娘数人を救ったオレ達を捕らえる事には疑問を感じていたとか何だとか。
「正義の味方は無償で世のため人のために働く者だと私は思うんですがね…………まあ報酬を要求してもらった方が、
現実的で確実性があると私は思いますけどね。
…………実を言いますと、安西様も貴方達を捕らえる事にはあまり乗り気ではないはずなんです。
…………3日前に安西様の屋敷に赤羽の矢と4日後に──つまり明日安西様の息女を貰い受けるという伝言がありましたから。
そうだ、安西様に会って頂けませんか!!?」
「元からそのつもりだって言うね。」
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