第4ステージ突入?

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「フーン、そんな嘘か本当かも分からない単なる噂で唯一妖怪に対抗手段のある陰陽師を捕えるねぇ…………何考えてんだか。 まさか御上には陰陽師に代わって妖怪を退治する何かがあるって事か?」 この人の口ぶりからすると《明光の智》って言うのは全ての陰陽師に関わりがある可能性があるから、 早く話を変えないと陰陽師(偽)って事がばれる。 なので話を変えるついでに御上についての情報を引き出すために自然な流れで持って行くと安西氏は、 「…………分かりません。 私達は大和国民として御上に逆らう訳にはいかないのですが、かと言って最近異様な程に増えている妖怪の被害を止める術は無い。 本当にどうしたら良いんでしょうね……………」 目の前にいるオレ達に尋ねていると言うよりは自分が従うべき御上に対して疑問を零す安西氏。 しかし答えなんて出ないのは分かりきってる事だ。 沈黙が流れる中ついさっき目覚めたリーシャはお菓子と共に出されたお茶を啜りながら、 呑気な声で安西氏に疑問を返す。 「その質問に私達は答える事はできませんが…………貴方はどうしたいのですか? 唯一妖怪に対抗手段を持つ陰陽師を捕らえろと言っておきながら、 それの代わりとなる物すら用意してくれない身勝手な御上への忠誠を貫き娘さんをみすみす誘拐されるか、 それとも今だけは忠誠を破り私達に依頼してこの街を狒々の脅威から救ってもらうか。 貴方が前者を選ぶのならば時也さんが暴れまくって返り討ちにするだけですが、 後者を選ぶのならば相応の額を払って頂くのと引き換えに完璧な仕事をいたしましょう。 …………御上に妄信するのも構わないですが、普通の人間の精神を持っているならばどちらを選ぶかなんて愚かな疑問だと思いますけどね。」 「…………龍、完成。」 久々にシリアスな空気が流れるこの場でリーシャは娘の命と御上への忠誠を秤にかけ決められない安西氏を説得し、 茜は無駄に高等な技術を見せ街で買ってやった折り紙で龍を折った。 どうやってそんな物作ったんだよ、実は茜は天才だったり? なんて事を考えていると、安西氏は再び頭を深く下げた。 「どうか娘を…………この街を助けて下さい。」 ビジネス成立。 そうと決まれば話は早い。 オレ達は明日の夜に誘拐されると反抗予告を受けた娘さんの下へと安西氏の案内で向かった。 「…………猿。」 「お見事。」 茜パネェ。
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