第4ステージ突入?

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「妖怪を退治する役目は時也さんだと言うだけで、私もお手伝いくらいはしますよ。 あ、名案を思い付いたのですが如何します?」 「名案ねぇ………リーシャがこの人に変装して待ち構えるとか?」 確かにそれなら確実に警護対象の安全を確保できるし役割分担としても良いかもな。 背丈も体格も同じくらで、リーシャは金髪だけどカツラでも着ければ暗闇の中じゃ分からないだろうし。 黒髪で和服のリーシャってどんな感じなんだろうなーと頭の中でイメージ図を思い浮かべていると、 リーシャはほぼ正解ですよと笑い、 「────ただし、変装するのは時也さんですが。」 変装も何もオレは男だぞ? そう疑問を返す前にリーシャの手の中に握られていた術符を額付近に当てられ、急激な眠気に襲われたオレは夢の中へ。 しまった、仲間といる時は感応力を切るっていういつもの癖で………リーシャは警戒しとくべき…だ…っ…… そしてオレは後に黒歴史として生涯永劫残る悲劇の幕を意識の復活と共に開けたのだった。 「…………笑いたきゃ笑えよ。 陳腐な慰めを聞くより笑い者にされた方がまだマシだ。 というか無言は本当に止めてくれ、死にたくなるから。」 桃色を基調とした時代劇でよく見る身分の高い女性の着物を少し簡易にした物を羽織り、 薄い化粧を施された艶やかな黒髪を持つ女(?) …………それが今のオレ。 多分俗に言う男の娘ver.和服って言うだ。 「…………笑えよ、せめて何か言えよ、いっそ殺せよコノヤロー。」 「か、可愛────ブッ!!!」 生まれてこの方初となるそして最後である事を願う女装をしたオレを見たリーシャとオレが身代わりをする明美は凍ったように固まり、 何かを言いかけた途端リーシャは鼻血を吹いた。 「す、凄く似合ってます!! 可愛い……と言うより危険な香のする姐御タイプみたいで────色々と触って良いですか!?」 「良い訳ねーだろ、それに色々と触るって何をだよ? つーか似合ってるとか言われても全く嬉しくねーよ。 むしろ一思いに殺してくれた方が有り難いわ。」 今だ鼻血を出しながら床を転げ回り悶えるリーシャの声を聞き付けて、隣の部屋で折り紙で城を作っていた茜がやったきた。 「…………お姉様。」 「誰がお姉様だコラ。」 ヒシッと、トコトコとやってきてオレの胸に顔を埋める茜。 死にたい。
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