第4ステージ突入?

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隙あらば妖しい程に目を輝かせたリーシャに襲われ明美に抱き着かれ茜にスリスリされ、 それを回避し続けるという肉体的精神的に疲労が溜まる異様な程に長かった時間を耐え抜き、 現在時刻は狒々が来ると言われている1時間前。 (色んな意味で)危ないから近付かないようにと口惜しそうな顔でこちらを見て来る明美と茜を締め出し、 最後に意味深な笑みを零したリーシャも部屋から追い出した。 その意味深なリーシャの笑みを見た瞬間総毛立つような感覚を覚え、まだ何かリーシャにとってのお楽しみがある事を確信したのは言うまでもなし。 「ハァ、心休まる時間がいつ誘拐されるか分からないこの時間っておかしいだろ。」 3人の猛獣から解放されたオレはゴロンと畳に寝転び、 『……迎えに来たぞ姫よ。』 そこには約束の時間まで一時間も早いはずなのに随分と律儀な狒々がいましたとさ。 …………まあオレもデートの30分前には約束の場所に着いてる事を心掛けてるけどさ、 ここまで早いと逆に気合いが入り過ぎてるって軽く見られるんだよ。 狒々を見た瞬間溜まりに溜まった不満やストレスを解放して斬り殺してやろうかと思ったが、ここは我慢我慢。 恐らく恐怖にやられて何もできないのだと思ったらしい狒々は鬼のような表情を髪で隠しているオレを軽々と肩に担ぎ、 気付かぬ内に天井に開けられていた穴から外へと。 屋根から屋根へ軽々と飛び移っていく狒々の乗り心地は乗り物としては最悪で、屋根を蹴って次の屋根へ飛び移る度に激しく上下に揺さぶれる。 込み上げる嘔吐感を堪えながら揺さぶれ続けていると、街から娘をさらって来たのであろう数匹の狒々達と合流し、 街を抜けて森の中へ入り少し行った所にある廃墟となった寺に入った。 「……嫌だ嫌だ、死にたくない……」 「……お母さん……」 「……誰か助けて……」 寺に入った後狒々達はオレと数人の娘を寺の中央に下ろし、いつの間にか現れた20匹近くの狒々の輪に加わった。 寺の中央に置かれ周りを狒々に囲まれた娘達は互いに身を寄せ合い今から起こるであろう事に涙を流しながら、 来るはずのない助けを祈っていた。 …………いや、実はここにいるんですけどね。 『ホホウ、やはり人間の娘が泣いているのを聞くのは楽しい。 手足をちぎる時のあの叫び声が今宵も聞けると思うと……ゾクゾクする。』 変態出現!
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