第4ステージ突入?

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感応力や気配等の第六感が働き難いのは妖怪に共通している事なので置いておく事にして。 消えた。 そう、消えた。 刀の刃で白狒々の体に触れた確かな感触を感じたはずが、その後肉に食い込ませ肉を刔りとってやろうと思った瞬間、 白狒々はその場から姿を消していつの間にかオレの背後に移動していた。 オレの感覚領域では捉え切れない程の超スピードで動いたのだとすればそれでお終いだが、 恐らく背後から攻撃してきた時の動きを見る限りそれは無いね。 無い無い。 折角認識されない内にオレの背後に回り込んだって言うのに、あんなトロイ攻撃で殺気ビンビンだったら意味無いし。 恐らく瞬間移動の類の能力を使えるって事だろ。 こいつには宝の持ち腐れな気がするけど。 『我が《変化》に恐れ入り動け無くなったか…………ならば存分に痛みを味わい喰われろ。』 「逆よ逆。 そんな便利な能力があるのにお前がそんなんじゃ勿体ないの極みだぜ。」 ドシンドシンと鈍重な動きで走って来る白狒々に対して、刀を水平に構え待ち受けるオレ。 このままお得意のカウンターを食らわしてやろうと思ったが、 やはり撃ち出した拳に刀の腹を這わして腕を斬り裂いてやろうと思った時には既に白狒々は目の前から消えていた。 しかし種がある事が分かっているならば予想は簡単。 「あらよっと。」 恐らくと言うより確実にオレの背後に瞬間移動してくるので、振り向き様に刀を振るうと。 『クソッ!!!』 後ろに瞬間移動できるなんて便利だなと思ったが、どうやら正面向いて攻撃されるのがトリガーで強制的に後ろに瞬間移動するらしい。 何故正面向いてじゃないと発動しないか分かったかと言うと、単に白狒々が視界に入ってない内は刀が食い込んでいく手応えがあったからだ。 それが分かったオレは強制的に瞬間移動させられて体勢を崩している白狒々に蹴りを入れ、 後ろに瞬間移動するタイミングと場所を予測し刀を突き出す。 ブスリと、肉を突き刺すには余りに呆気ない抵抗がほとんど無い感触。 オレは後ろを見ないまま骨さえも抵抗無く斬る恐ろしい程に良い切れ味に任せ、 横に大きく振り抜き試合終了。 この間白狒々は言葉にならない悲鳴を上げていたが何をする力も残されておらず、ドサリと床に崩れた。 「…………あーあ、じっくりと料理してやろうと思ってたのにな。」  
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