第4ステージ突入?

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ドサリと言うより固体の物が流動体となり落ちたボトリという音の方が正しいかもしれない絶命し床に崩れ落ちた白狒々は、 他の狒々と同様に紅と黒が入り混じった煙に形を崩す。 「回収完り────蒼?」 神具という妖力を生み出す特殊な装備を所持している場合にのみ、妖怪を倒すと妖力を生む源となる魂を神具で回収できる。 しかし普通……って言うかまだ数種類の妖怪にしか遭遇していないから詳しい事は分からないが、 今までの妖怪の魂は全て紅だった。 しかしだ。 何故か白狒々を倒し回収できたのは黒い物体を核にして燃えているような蒼の魂。 まあ別にそこまで警戒したりする事でも無いんだけど。 そしていつも通りの画面が現れたが特に変わった事や入手アイテムは無い。 強いて言うならば何故か手に入った経験値が少ないし金も0。 少し前まではゲームの世界みたいに経験値も金もがっぽがっぽ手に入ったけど、このステージじゃ現実を知れって事なのかね? こんな世界にいる時点で現実もクソもないと思うけどな。 「…………つーかアンタらまだいたのな。」 女装までさせられたってのに手に入った物は少ないって言うか0と言うかむしろマイナスで、 若干気落ちしながら帰ろうとすると出口にはさらわれて来た女の子達がオレを待っていた。 一体先程までの恐怖等はどこへ行ってしまったのだと呆れ返る程女の子達はオレに興味津々と言った感じで、 中々オレが理想とする思わず守ってあげたくなる女の子はいないらしい。 てか皆たくまし過ぎ。 「ハァ…………そんなに見詰めても何にも出ねぇよ。 オレとしては一刻も早く逃げ去りたいけど、か弱い女の子をこんな薄気味悪い場所に置いていく程薄情じゃないし、 とりあえず街までは送ってやるからさっさと行くぞ。」 幸いな事に今日は雲が多い夜であるため唯一の明かりである月光は非常に頼りなく、 人の顔をハッキリと認識するのは難しい。 だから一番先頭に行けば顔を見られずに済む。 そうすれば恥も何割かは抑えられる。 そう考え歩き出そうとすると、 「痛てっ。」 「あ、す、すいません!!!」 歩き出した瞬間後ろにいた女の子に何故か腰辺りまで伸びている髪を掴まれ、止められた。 そう、本来オレの髪は肩に触れる程度の長さであったはずなのに、 リーシャに女装させられ起きた時は既にここまで伸びていたのだ。
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