第4ステージ突入?

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どんな育毛剤を使えば数時間で50cm以上も伸びんだよ…………という多分秘密ですと言われ解決しない疑問は置いておいて、 ここまで長いと逆にオレの中の魂(?)に宿ってるアスタロトみたいで良いかもなと思ったが、 やはり重いし気持ち悪いし邪魔の欠点多発。 勿体ない気もするけどバッサリ切るしかないねこりゃ。 「…………つかさ、君達いつまで触ってる訳? 他人に、しかも複数に髪を弄られるのって結構気色悪いんだなこれが。」 だが女の子達はオレの髪を触る手を止めようとはせず、 「き、綺麗な髪ですね!!」 「どうやったらこんなサラッサラな髪になれるんですか!?」 「どこかの国のお姫様だったりするんですか!?」 等と、狒々と闘ってる時から散々男だって言っるのに聞いてなかったらしい女の子達はオレを女として扱い、 質問に質問を被せての質問の嵐にオレは何が何やら分かりまへんがな。 …………同時に10人の話を聞ける聖徳太子じゃないんだから、せめて一人ずつ喋って欲しいものだね。 このままじゃ女の子達のガールズトークに圧されて主導権を握られてしまうため、一旦ドン引きさせて落ち着かせるためにオレは男だと再度伝えてやったが、 ″口調は″ねと笑って返されるばかり。 どうやら一瞬月明かりで見えたのはどう見ても女の顔だったらしいが、 人間なんていい加減なものだから、オレがオレであるというイメージを持ってれば脳が勝手に変換してくれるものさ。 「ハァ…………何度も言ってる通りオレは身も心も健全な男なの。 もしここが猥褻物陳列罪の許される変態の国なら男の証を見せてやっても良いくらいさ。 オレがこんな恰好をしてるのは、身代わりとしてさらわれて狒々共を一掃するため。 決して趣味なんかじゃないし、第一仲間に強制的に着せられたんだよ。 …………正直言って今すぐにでも死にたいわ。」 ここまで言ってやっとオレが男である事を理解してくれた女の子達は若干引きながらも、 オレなら美少女剣士としてやって行けますよと見事にハートブレイクする言葉をくれた。 そして街に到着するまで髪を弄ったり本当に男かどうか胸を触って確かめたりなど、 男としての屈辱を受けたオレは街に着いた瞬間に逃走。 本当に本当に本当に人生で大きな汚点となる一日だった。 「────ッ、トッキー似合ってる…………じゃなくて助けて。」  
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