第4ステージ突入?

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何かを失ってしまった夜一人トボトボと依頼主のいる屋敷に向かっていると、 血相を変えて…………と言う雰囲気だが茜は感情表現が乏しいので表情には出さず、 何かから逃れるように走って来てオレに抱き着いた。 表情には出さないし声にも抑揚が無いから本当に分かりにくいが、感応力で感じ取ると心底何かに脅えている様子なので、 もしや妖怪がオレのいない間に襲撃して来たのではないかと思ったが、 それは直ぐに呆れの溜息に変わる。 「ちょっと茜ちゃん、折角私がコーディネートしたのですから逃げないで下さいよ。 次はこれを着てみて────あ、時也さん…………」 「満面の笑顔でバッチグーサイン出してんじゃねぇよこのクソ腐女子リーシャ。 何だよこの悪意100%のコスプレは? あの衣装と髪だけならまだ依頼のためって事で許容範囲内だけどよ、これはマジ無いわ。 お 前 も 恥 か け 」 最早女だからとか仲間だからとかは関係無いし、第一プライドをここまで粉々にされて許す気なんて微塵も無い。 つかこの程度で済ましてやるオレの心の広さに感謝して欲しいね。 「え、ちょっ、何を────」 「お前の大好きなコスプレだよ。」 復讐開始。 だが優しいオレは節度を守るためにも街中で調達した白く大きな布を広げてリーシャの全身を覆い隠し、 外から見られない事を確認した上で超高速の作業をするがそこはリーシャのためにも割愛。 いきなり白い布で視界を隠されたリーシャはオレに成す術はなく、パニックに陥りされるがまま。 「…………トッキー、リーシャお姉ちゃんは?」 「リーシャはリーシャお姉ちゃんなのにオレはトッキーなのな…………別に良いけどさ。 ま、御覧あれってな。」 僅か数秒で作業を終えたオレは白い布の中から外に出、リーシャを覆い隠す白い布を一気に引っ張った。 そして露となったその姿とは!! 「────な、何なんですかこれは!!? 何で今さっきまで時也さんが着てた物を私が着てるんですか!!? というか、さっきより丈が短いし露出が多くなってるじゃないですか!!!」 今リーシャが着ている服。 それはオレが今さっきまで着ていた悪意100%のコスプレに少し手を加えて露出をかなり多くした物。 「ハッ、見えそうで見えない、だからこそ興奮するチラリズムってやつよ。 少しは人の気持ちが分かったかよ?」
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