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荷物は全部流されたって言うのに一体どこに隠し持っていたのか、
ロリの事を何度も話に挙げオレに説教をしながら、
【鮮血の戦姫】という時也がおふざけで作り上げた第3ステージでは都市伝説にもなっている恐怖の大虐殺者のローブを纏う唯。
そんな物があるなら最初から着とけよと言うと、服が乾くまでずっとお説教を喰らう羽目に。
何故か唯には逆らう事を躊躇うような威圧感があったため内容は左耳から右耳へ通り過ぎて行ったが、
一時間近く正座を余儀なくされて足が痺れて痺れて。
…………こんな女が彼女なんて本当に時也は大変な奴である。
「…………で、これからどうするんだ?」
「それ私に聞いちゃう?」
訪れる沈黙。
それは暗に、この場にいるどちらもがこれから何をする等はリーダー的な奴に決めてもらう駄目な奴である事を語っていた。
…………時也もリーシャもいないとかマジで何すれば良いんだオレら?
「そ、そうだ!
ディヴァイスがあったじゃん!!
それを使えば時也君達と連絡が取れてそれで指示を仰げばオールOKじゃない?」
「流石は時也の女、こんな状況にも慌てず的確な判断だぜ!
そうと決まればさっさと時也かリーシャに連絡するぞ!!」
良い事も悪い事も時也の女だからで片付けられるなんて便利だよなーと思いながら、
唯が出したナイスアイディアに従ってディヴァイスの機能である通信を起動させる事に。
で、10分後。
「ちょっと、何これどうなってんの!?
馬鹿なの死ぬの私達を殺す気なの!?
しかも画面に表示された通信不可能の表示が、
『出直せ色気無しの小娘(笑)』
ってどう言う意味よ!?」
「オレが知るかそんなもん!!
しかもオレのディヴァイスの画面に表示されてるのなんて、
『馬鹿でも使える単純なシステムがこの機具の良い所(笑)』
だぞコノヤロー!!
何らかの悪意を感じんのは絶対気のせいじゃねぇよ!!!」
因みに通信不可能の時に表示されるメッセージはディヴァイスの隠し機能で、それを見つけ出し設定しているのは時也とリーシャだけである。
しかし唯とロイドに知る術はない。
「どうする・どうしよう・どうしましょうかの三段活用。
何もやる事が浮かばないこの状況を打破する手立てをプリーズギブミー。」
「オレが聞きてえくらいだよ。
何すりゃ良い────」
と、その時だった。
腹の虫が2人同時に鳴ったのは。
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