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「この国は悠久の時を遡り神々の住まう大地として創造されたため霊的に高い…………今ので理解できないならば、
この大地は莫大なエネルギーを秘めていると考えれば良い。
そして何故か均衡が崩れ肥大化する陰の気で世界が崩壊しないよう大地が陰の気を…………すまない、
要は邪悪なエネルギーが大きくなり過ぎてそれを大地から排出したのが妖怪となるのだ。
しかし妖怪は大地の力という霊的に上位…………質の高い力で創られたため、人間の質の低い力では触れる事さえ叶わない。
妖怪に干渉する事を可能とするのは、内に質の高い力を持ちそれを術として外に出す風魔一族や、
内に妖怪を宿し生まれる妖魔一族
もしくは神具を使用し自らの力の質を上げる事だ。
神具とは妖怪の中でも更に質の高い力で創られた妖怪が死で遺す物であり、
それに宿った妖怪の魂は同族の妖怪の魂を吸収する事で人間に妖力を与える。
神具が人間に与える妖力は吸収した魂に比例するもやはり序列が大きく関係し、
乙・丙・甲・丁・界・魄の順に与える妖力は大きくなる。
これで一応一通り説明できたと思うのだが…………」
「半分くらいは何とか理解できたであります軍曹!!」
「一気に言われたから序列云々は覚えて無いけどニュアンスは掴めたぜ。
てか、まだ鬼ってのが残ってるじゃねぇか。
それって何なんだ?」
すると柳生晴明は心底疲れたという表情を顔に浮かべ、
「貴公らにとっては難しいと思える言葉の羅列と矛盾が生じる内容である事を許してくれればいくらでも話すが?」
「じゃあ結構でーす。」
ですよねー、つか一々分かり易い言葉にするのダルいんだよ的な柳生晴明の視線を知らず唯は軽く答え、
これにて頭を使う説明の時間は終了。
次に質問タイムとなった。
「時に貴公らは何故妖怪が活発化し国が乱れている今になってここに来たのだ?」
初っ端から物凄く重い一撃だった。
え、何でこの国に来たかって?
このゲームのような世界をクリアするためだよというオレ達にとっては単純明確な答えがあるのだが、
それをプレーヤーじゃないこの世界の住人に言っても理解してもらえないのは確実。
精々精神科に行く事を勧められるのが関の山だろう。
これ何て答えればごまかせるんだと思いながら唯と視線でコンタクトを取ろうとすると、
唯は欠伸をしながら全てそちらに任せましたよの一言。
マジか?
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