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「……………………あれだ、オレ達好奇心で港に出るって言う幽霊船に乗り込んだは良いものの、この国に来る途中で妖怪に襲われて幽霊船沈没。
んで以って海流に飲まれて仲間と離れ離れになって天狗に殺されかけて今に至る。」
「…………人には一つや二つ言えない事があるのは当たり前なのだから気にはしないが、仲間と離れ離れとなったというのは真の事か?」
「よくぞたった一つの真実を見抜きました!!!」
「き、貴公の話は一つを除いて偽りであったのか…………流石にそこまで信用されていなかっとは思わなんだ。」
「いや、唯の言葉を真に受けるなよ。」
一応今話した事は全部本当だと付け加えたが、どこまでが本当でどこからが偽りなのか分からぬなと言われたので、
最低でも仲間と離れ離れになったのは本当だと伝えた。
「フム…………しかし、この国は島国とは言え人を探すには少々広すぎるな。
それにこの国は少し特殊で36に分けられた藩の独立性が強く、正規の道で行けば通行許可書が必要となる。」
「うっわ、マジ鬱になるわ。
どうせ関所とか強行突破して指名手配ルートだろ?
もう慣れたし飽きたわそんな展開。」
「そんなデンジャラスな人生を送って来たロイド君に一抹の尊敬すら覚えてしまった自分がいる。」
「某も強行突破という方法は思い付いても真っ先に排除するがな。
貴公の豊富な人生経験と勇敢さを讃えよう。」
そこまで人にリスペクトされる人生は送って無いはずなんだけどな?
それに褒められてる気が全くしないって言うね。
このままだとこのダラダラとした会話がいつまでも続いて終わりが見えないなーなんて考えていると、
一刻も早くこの会話から抜け出したいのであろう柳生晴明は真面目な口調に戻し、
「人を探すとなればやはり最も人や物が集まるこの国の首都──安京都に行くべきだと思うが?
それとも他に何か方法でも?」
「他に方法なんて無いしそれさえ思い付かなかったから困ってたんだよなオレ達は。
そしてこれからその安京都に行くまで壮絶な大冒険を繰り広げる事になるのは目に見えている。
主に迷子という面で。」
正直言ってオレは地図なんか読めねぇし第一今自分がどこにいるのかすらも分からない。
これは奇跡でも起きない限り多分時也達が目指すのであろう安京都に辿り着くのは無理だ。
つかパートナーが唯の時点で無理だ。
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