第4ステージ突入?

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後ろから人間では発声不可能な低くやけに響く声が聞こえて来たので振り向くと、そこには家程もある巨大な猪のようなモンスターが。 猪とは言っても口は長く牙が生え揃い、4本の足に生える爪は一つ一つが刀剣のよう。 そして若干茶色がかかった白い毛の生えた体には、文字に見えなくもない黒いシミのような物が浮かんでいる。 【土地神出現!  威野宍乙【墜神】が現れた!】 威野宍乙──〔いのししおつ〕とか名前やべぇ。 雰囲気的にはかなりの強敵っぽいけど名前がアレだから緊迫感が台無しだ。 「ん、喋れるって事は結構強い奴と思って良いのか? つーか不細工だし、それに…………何人喰ったんだ?」 『この土地を支配していた″元″神に何と言う口の聞き方だ人間。 貴様ら人間なんぞは餌に過ぎぬのだから、餌は黙ってその身を差し出せば良い。』 土地神ってものはそもそもその土地に住む者を守るもんじゃないのかよと言ってやりたいが、 【墜神】と付いてた事から多分堕落した──土地神をクビになったのだろう。 まさしく乙ってやつですね。 それにしてもだ。 威野宍乙から漂って来る──正確には口の中から吐く息と共に撒き散らされる何十もの血と腐臭が混ざった異臭は、 思わず鼻が曲がりそうになる。 そして牙と牙の間に挟まってる黒い髪が威野宍乙の不細工さと不気味さを際立たせている。 ま、最悪のアクセサリーって事だ。 「″元″なんだから別に良いだろ職務放棄野郎。 それにどっちが餌でどっちが捕食者だか教えてやるよ………いや、別にお前を食うつもりはないからね。 だってマズくて食えた物じゃなさそうだもんお前の肉。」 何か勘違いされそうなので否定すると、威野宍乙は何も言わず2本の鋭い牙を向けて突進してきた。 流石は元土地神………と言っても土地神が何なのか日本人としての知識でしか分からないが、 初動から最高速度に達し間一髪で回避した瞬間には黒い影になり視界の端に映っていただけだった。 しかし再度切り替えして突進した時によく見れば、ミシェルという超スピードで駆ける奴と長年仲間をやってるオレからしたらそれ程でもない。 次は楽々とではないがある程度余裕を持って回避し、次の突進に備えて妖怪に有効な正体不明の力を刀に纏わせる。 一発。 それ以上は今の体力を考えると危ないかもしれない。 「これで神具でも出てくりゃラッ────」
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