笑顔6

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翌年も、城西駅にはいつものように淡々と業務を行う蒲田の姿があった。 『1番線停車中平方行きは後続急行と待ち合わせ致します。 次に参ります列車は、急行の鹿浜公園行きです。』 停車中の列車から川崎が降りてくる。 「まさか、急行を見るとはな。」 「あなたは運行科主任ですか…。お疲れ様です。」 「君もありがとう。」 言葉少なに別れる二人だが、信頼が見えるその様子は、かつての赤字に苦しんだ周防電鉄の姿ではなかった。 地域密着を謳った鮫洲社長の新方策、乗客の命と会社を救った猫は、話題と成功を呼び、創立以来初の黒字決算が目前だ。 鮫洲は語った。 「別に、私が手柄を立てた訳ではない。 辛い時期もあったが、今思えば車両故障も崩落事故も、神が猫の姿で最後に手を伸ばしてくれたのかも知れないな──。 そう思えば、周防電鉄が歩んできた道のりも、そんなに悪くない……」 end
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