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その不安は、どよめきへと変わる。
「社長、どういうつもりですか?
我が路線は毎年膨れ上がる借金を抱え、維持だって厳しいのに新車なんて……」
どこからともなく、批判が吹き上がる。
「私達だって、生活が懸かっているんです。
そんな無謀とも言うべき経営方針で、この鉄道をいとも簡単に潰すんですか?」
蒲田も声を荒らげた。
しかし鮫洲は、興奮する社員に目もくれず、立ち去ってしまった──。
──そんなことがあったから、蒲田は……いや、鮫洲を除く周防電鉄の社員全員が、経営努力次第でどうにでもなると思っているのである。
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