1 生きる為にはお金が必要(麻衣)

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「あ、あの!!」 勇気を振り絞って、目の前を通り過ぎようとした男に声を掛けた。 すると男は歩く足を止め、少し冷たくも感じる瞳で、静かに私を見つめる。 「私を……買ってくれま」 「イヤ」 その決死の私の言葉を遮る様に、男はあっさりと拒否した。 あまりの呆気なさにしばし放心し、しかしそれからハッと我に返り、男にペコリと頭を下げる。
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