第壱章 「としでんせつ」

16/17
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
『…行きましょう、捕まってて』 彼女は、震える男達を無視して、機体の手に乗せている私達に言いました。 数は六人。監獄にいたメンツはひとまず全員無事のようで、安心しました。 無事だと解ったのならさっさと行きましょう。彼女らを心配している人達は居るはずです。 彼女の乗るタイタンはゆっくりと浮上し、スピードを出し過ぎないよう気をつけながら、海を越えるために飛び立ちました。 男達からすれば、月をバックに空を飛ぶ魔女、といったところでしょう。 ようやく帰れます。 私も。彼女らも。 愛する人の元へ…
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!