序章 うまれるせかい

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「…早いね」 すると、頭上が黒く染まっていくのを感じて、アルセスモアは呟いた 黒く染まっていく部分、それは紛れもなく宇宙空間だった アルセスモアがイメージを固めていく間、下僕達の動きは慌ただしかったが、一つ一つの動きに焦りはなく、冷静そのもの 意志がないのだから、当然といえば当然だ 自分の要求に応えるだけの存在なのだからそれくらい出来なければ話にならない まだ世界は出来上がらない もしこの空間に人間が放り出されたならば、間違いなく即死だ だが彼女等が生きていられるのは、それは彼女等が「作り手」だからだろう まだだ…まだ世界の環境は過酷すぎる 宇宙空間が出来上がって、少し寒く感じた 絶対零度の宇宙空間においても、アルセスモアはこの余裕 だが、自分はともかく、その後世界を賑やかにするために必要だろう「生物」にとって、この世界は死の闇だ そう考え、彼女はまた集中する
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