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夕焼けが、道を射す。橙色の光が視界を覆うのは、さながら僕を家に帰らせたくないためのようだ。
紺のスクールバッグを肩に下げ、僕は帰宅するため道を進む。
灰色の塀が道を挟んでいる。住宅街だから仕方ないのだが、そのせいで道幅は狭い。車は滅多に通らない道だが、車が通った時なんて、危うく轢かれる処だった。
もう少し、歩行者のことを考えてほしいね。
そんなことを考えながら歩いていると、自宅に着いた。
ドアには必ず鍵が掛かっているから、鍵を学生服のポケットから取り出し、鍵を開けてドアを開け、家に入ってドアを閉め、また鍵を掛ける。
「ただいま」
そう言えば、家の奥から「おかえり」と高い声が返ってくる。
靴を脱いで、家に上がってすぐ右にある二階への階段を上がり、自室に入った。
部屋に入って左に学習机があるため、スクールバッグを置いて、僕はそのまま奥に置いてあるベッドに倒れ込んだ。
眠い。今日は疲れた。
もっとも、部活をしている訳じゃない。勉強も死ぬほど頑張った訳でもない。
ただ眠い。それだけだ。
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