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だからといって別段いつも以上に勉強する訳でもなくぐうたらとこたつでテレビを見だした所だった。
ピンポーン。
と、無機質なチャイムの音がした。
こたつから出たくないよぅ、と駄々をこねる全身の細胞にムチをうち玄関まで行くとドアの魚眼レンズを覗き込んだ。
…外人?
そこにうつっていたのは紅い目をした堀の深い外国人だった。
「隣に越して来ました、山林です。どなたかいらっしゃいませんか?」
流暢な日本語だった。
しかも名前は山林。
なんか、大自然って感じの苗字だな。
何てぼんやり考えながらドアを開けた。
「あ…これ蕎麦です。引越し蕎麦。」
山林が差し出したのは紛れもない、
うどんだった。
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