山林竜之介って偽名なんだって。

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山林の持ってきた讃岐うどんを受け取り、改めてその顔をじっくり見た。 長身でイケメンで紅い瞳。 …ゲームのキャラみてぇ。 俺がぼんやり考えていると山林がその形のいい口を動かしてこう言った。 「あれ?お返しってないんですか?」 多分その時の俺の口は大根を突っ込めるんじゃねえかってほど開いて居たと思う。 「地球…いや、日本では何かを渡したらそれと同等、もしくはそれ以上の物が返ってくると聞いて居たのですが。」 外人ってみんな日本にこんな偏見もってんのか。 つか、さっきこいつ日本の前に地球っつったよな。 まさか、地球外生物? なんてとりとめもない事を思いながら俺は周囲を見渡した。 山林に渡せそうな物なんかなにも無い。 「今、家、何も無いんでとりあえず上がってください。お茶くらいならいれられますんで。」 その時、俺は気付いて居なかった。 俺は日本人として最適の判断を下した事により、常識人としての最初の階段を踏み外そう事になろうとは。
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