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どうしてもっと隼人を信じなかったんだろう。
信じてたらこんな事にはならなかったのに…。
ごめんなさい、隼人。
許して…。
「もうやり直せない。…ごめん。今までありがとう…」
「……やだ、やだ…!隼人…!お願い行かないで…!!」
「……ごめんな」
「隼人ぉ…!」
隼人は必死に腕にしがみついてくる玲香の手をそっと離し、もう一度ゴメンと謝ってその場を去って行った。
取り残された玲香は、静まり返った夕方の公園で静かに涙を流した。
ごめんなさい、ごめんなさい隼人…お願いだから戻って来て。
私には隼人しかいないの。隼人じゃなきゃダメなの……ねぇ、どうして?
私……純粋に隼人を愛してただけなのに…。
不安だったの…どうしても不安が拭いきれなくて…。
だって、隼人が人気者だから……いつも周りに誰かが居て、他の女の子にチヤホヤされて…。
……そうよ、隼人がいけないの。
私を不安にさせるようなことをしていた隼人がいけないの。
…でも、隼人だけが悪いんじゃないわ。
隼人の周りにまとわりついてた女達が悪いの……そうよ、可哀想な隼人と私はあの女達に引き裂かれたのよ…。
酷い。
許せない。
絶対に隼人を取り戻してみせる。
だって隼人は
私のだから――
そうでしょう?隼人…。
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