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玲香がゆっくりと俺に近付いて来る。しっかりと俺を見つめたまま。 目の前で立ち止まった玲香との距離はほぼない。彼女は息がかかるほど近くに迫っていた。 俺より背の低い玲香は首ごと俺を見上げ、ジッと虚ろな瞳を向けてきた。 こいつ…どうしちゃったんだ……俺が振ったから…? だからってこんな……。 すると玲香はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。それを見ていた女子が一人、小さな悲鳴を上げる。 玲香は俺に小さな箱を渡して来た。可愛くラッピングされたピンク色の箱。 「な…なんだ?これ…」 「……たべてね」 それだけ呟くと、玲香は再び教室の外へと行ってしまった。 な……なんだったんだ? 追いかけようか迷った。
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