64人が本棚に入れています
本棚に追加
玲香がゆっくりと俺に近付いて来る。しっかりと俺を見つめたまま。
目の前で立ち止まった玲香との距離はほぼない。彼女は息がかかるほど近くに迫っていた。
俺より背の低い玲香は首ごと俺を見上げ、ジッと虚ろな瞳を向けてきた。
こいつ…どうしちゃったんだ……俺が振ったから…?
だからってこんな……。
すると玲香はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。それを見ていた女子が一人、小さな悲鳴を上げる。
玲香は俺に小さな箱を渡して来た。可愛くラッピングされたピンク色の箱。
「な…なんだ?これ…」
「……たべてね」
それだけ呟くと、玲香は再び教室の外へと行ってしまった。
な……なんだったんだ?
追いかけようか迷った。
最初のコメントを投稿しよう!