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僕は
もうずっと君に恋してる
「何してるの?」
そうやって尋ねると、必ず
きみは笑顔ではぐらかした。
「何でそんなに質問から話を反らそうとするんだよ?」
「反らしちゃいけないってルールなんてないもん」
「そうだけど…」
僕は、君が知りたくて
堪らなかったのに
気紛れな君はいつだって
僕の手のひらでは踊ってくれない
酷く、もどかしい
「あたし、気紛れなんかじゃないと思うけどな」
気紛れなんかじゃないと言って
笑顔を浮かべる君
どうしても
僕が特別な気がして
僕に笑いかけてくれる君は
いつもと違うきみだったから
「…いつまで其処に立ってるつもり?」
そんな言葉でも
ときめいて
愛されているような気がした
けど、本当は解ってる
笑う君
それすらも演技で
「…あのさ」
「何?」
「好き、って言ったら…どうする?」
君の愛で
雑音をすべて消してください
「…私はあなたを愛してた」
「…え?」
君の言葉
もっと甘い嘘がいい
愛して欲しい
「あなたに愛された私は、私じゃないのよ、きっと」
「どういう意味だよ…?」
「だから」
唇同士が、軽く触れた。
「…キスでぜんぶ忘れるから」
「どうして…」
「あたしは、気紛れなのよ?」
君が愛しい。
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