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大粒の涙が、頬を伝っていた。
(愛せなくて、ごめんね)
私は馬鹿で惨めな臆病者だから
分からなくなった
手のひらに残る温もり
触れた手のひら、離れる瞬間が別れだと知っていたけど
名残惜しくても、離さなきゃいけなかった
「負けないくらい想ってたのに」
言い訳だけが、口を突く。
本気の恋は叶わないって、あの人が言ったから
(この恋を捨てさせないでよ)
愛したかった。
『いい友達』
ずっと友達、残酷すぎて笑える
唇の上に、指を滑らせる。
まだ名残惜しくて
もうこの唇に触れるものはない
『また遊びにいこうぜ』
君の最期の言葉が、耳元で響く
(振り向いてくれないくせに、次の恋を邪魔しないで)
君はいない。
何もかも分からなくても
確かなことは、彼が私を見ていないという現実
「これが最高の…バッドエンド」
君はこの世に居ない。
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