僕が消した

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僕が消した

   普段何気なく視界に収めている人物が、忽然と居なくなったら誰しも慌てる。  そりゃそうだ。  見なれた人が消えた瞬間ハッとする。  彼もそうだった。  僕が彼の目の前からアイツを消してやったんだ。僕がアイツを嫌いだって単純な理由で。  彼は感情を無くしたように、冷徹な瞳で僕の持つ凶器に目をやった。  右手に持ったそれは黒ずんでいて、しっかりと握りしめている時点で言い逃れはできなかった。  
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