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考えても僕には解らないや
「なんでそう思うんだよ!?」
だからこそ思考を止めて答えを聞く
それで良い、それが一番簡単だから
僕は平然を装いながら言葉を発する
「簡単だ、それは……“ガシャーン”」
不意に屋上の扉が勢いよく吹き飛ぶ
「……りゅーや!!」
レイトの前を勢いよく何が通る
その何かはアカバネの腹部にクリーンヒット
痛みに耐えるのに必死で地面をのたうち回る
横にはバスケットボールが転がっていた
屋上の入口に目をやるが太陽の光が眩しくて人影がこっちに来ることしか確認できない
「なんかゴキブリみたいね「それが不意にバスケットボールを投げつけて倒れてる幼なじみに掛ける言葉ですか?!!」」
太陽の光に隠れていた姿が今は俺の前に現れた
腰まであるかないかの髪は後ろ一つに黄色いリボンで結ばれている
目は大きくてパッチリしているがすこし吊り目
なんというか少し強気な雰囲気が“見た目”からも“行動”からも手に取るようにわかった
ただ……
「綺麗だ……。」
俺の口から言葉が自然と出てきた
決して俺は見た目……。
いやそれ以前に女をそういう目で見たことはない。
あぁいや!男にもないからな!
女はこっちを、俺の方に顔を向ける
揺れた赤い髪は太陽と重なって神々しく輝く
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