始まりてふてふ

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「ほんと不思議だよな、 何でそんな馬鹿力なんだよ。」 道場の隅で稽古を 見ていた誠一が言う。 兄である誠一に勝ったことは無いが、師である義衛には最近勝つことが出来るようになったという。 兄である誠一も、必ずしもあさぎに勝てるとは思っていないらしく、常に全力。 何故なら、まるで男と打ち合っているような力の強さであるのが一つ。 もう一つは、兄妹揃って攻め方やら仕草が同じなのである。 理由は簡単、師が同じであるから 義衛の剣は豪快で力が第一。 ようは真っ向勝負なのだ。 「そんな馬鹿力は教えたはずないんじゃがの。」 しかしこれについては義衛は身に覚えがない。 『自然と身についたんですよ、 お祖父様!!』 「そうかあさぎ!! やっぱりお前は自慢の孫じゃ!!」 孫バカなので、 祖父も気にしない。 気にしているのは、 「…俺だけか。」
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