45人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほんと不思議だよな、
何でそんな馬鹿力なんだよ。」
道場の隅で稽古を
見ていた誠一が言う。
兄である誠一に勝ったことは無いが、師である義衛には最近勝つことが出来るようになったという。
兄である誠一も、必ずしもあさぎに勝てるとは思っていないらしく、常に全力。
何故なら、まるで男と打ち合っているような力の強さであるのが一つ。
もう一つは、兄妹揃って攻め方やら仕草が同じなのである。
理由は簡単、師が同じであるから
義衛の剣は豪快で力が第一。
ようは真っ向勝負なのだ。
「そんな馬鹿力は教えたはずないんじゃがの。」
しかしこれについては義衛は身に覚えがない。
『自然と身についたんですよ、
お祖父様!!』
「そうかあさぎ!!
やっぱりお前は自慢の孫じゃ!!」
孫バカなので、
祖父も気にしない。
気にしているのは、
「…俺だけか。」
最初のコメントを投稿しよう!