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そんな誠一を前にして
あさぎは更に恐怖を感じる。
…兄様、それ木刀です。
そう、誠一が握っていたのは
竹刀でなく木刀。
さっきまでの竹刀の稽古では防具を着けていなかったが、それは体に打ち込むはずは無いからだ。
剣同士をぶつからせる、この家でいう、いわば準備運動のようなもの。
それを木刀でしようと言うんですか、兄様!?
しかも目は獲物を捕らえた獣のようにあさぎを狙っている。
絶対打ち込んできます、
絶対打ち込んできます、
絶対打ち込んできます…。
あさぎの頭は打ちのめされる自分しか想像できない、今までそうだったように。
「…まだか?」
わぁあああイライラしてます、
大変です!?
…あさぎの頭が大変である。
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