恋色てふてふ

始まりてふてふ

「あさぎ、手伝うよ。」

『あ、兄様(にいさま)！
ありがとうございます!!』

さっき来た男性、
あさぎの兄の名は
杉村誠一(ｽｷﾞﾑﾗ ｾｲｲﾁ)。
あさぎ同様に美男である。

お気付きかと思うが、
この兄妹の名の由来は新撰組から

誠一は誠に尽くす、誠に一筋、
あさぎはあの隊服に使われた
浅葱色から。

各々それは知っており、
自分の名が好きだった。

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「…よしっ、これで直ったな。
あさぎ、お前は終わったか…
って。あららー。」

襖が直ったのを確認し、
妹に声をかけるとどうなっているのだろうか。

『兄様すみません…。
本当に壊したみたいで…。』

と、あさぎが指差す襖はボロボロになっていた。

無理に填(は)めようとしたらしく、角が粉砕されている襖。

障子は何故だか穴が空いている。