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彼と出会ったのは、メル・ナルシアが今日の夕飯に必要な食材を買い、帰路につこうとしていた時だった。
「なんだか、さわがしいな」
とメルは思い、小道に近づいてみると、なんと一人の男が二人の男性に暴力をふるわれている。
「あなた達、何をしているの!」
メルは大声をあげた。男達は振り返りメルを睨みつける。
「なんだ、てめえは」
「女は引っ込んでいろ!」
「一人に二人がかりなんて、卑怯なまねするんじゃないわよ!相手なら私がするわ」
と言って二人の男に向かっていくメル。
男達は最初は戸惑っていたが、メルの強さに徐々に押されていく。
「おぼえていろよ!」
男達は捨てセリフを残し、逃げていった。
メルはふんっと息を吐き出してから倒れていた男に手を差し出す。
「大丈夫?」
「は…………はい」
男は唖然とメルを見つめていたが、慌ててメルの腕をとり返事をした。
立ち上がった男は、ちらちらとメルを見ているので様子を疑問に思うが首にかかるくすぐったい感触で訳が分かり、笑って大丈夫だと言った。
「女性なのに強いんですね」
「女なのにって言うのは女性差別になるんじゃないかしら?」
「あ…………、すいません!」
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