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大事な事だからな、三回言ったぞ?
それで何故、自分がそんな人道に反した役割だと確信したかと言えば……俺が生まれつき持っているある特殊な能力が最たる理由だ。
――と、それを語る前に事前知識を加えさせてもらおう。これを知ってもらわないと説明がしにくいからな。
“誰かさん”は『アカシック・レコード』という言葉を知っているか? まあ、ちょっと博識な奴なら一度は耳にした事があるだろう。
知らないかもしれない、あるいは改めて知識を掘り起こそうとしているかもしれない“誰かさん”の為に簡単に説明すると……『宇宙の何処かにある、ありとあらゆる知識・情報が記録され続けている情報媒体』といったところだろうか。
fat〇風に言えばムーン〇ル、仮面〇イダー風に言えば星の〇棚、あとちょっと違うがハガ〇ン風に言えば真理の〇……と解釈すれば分かりやすいと思う。
では、話を戻そう。
ま、もう分かっているとは思うが、俺の能力とは……『このアカシック・レコードを自由に閲覧でき(よめ)る権限』である。
……今、凄いとか中二くせぇとか思ったろ。言っておくがこの能力、応用しなけりゃろくに使えない能力なんだぞ? しかも色々と制限や欠点があるし。
…だが、これで分かっただろ? 俺が天命に説明役をやらされると思ってしまった理由が。
何せ制限があるとはいえそれでも俺はほぼ全ての事柄について説明ができてしまう。主人公をやっている奴らから見れば、無意識に求めてしまうであろう程の逸材だ。
俺そのものの性能はどこにでもいる男子高校生で、普通の顔・頭・身長・運動神経しかないのに。
特に顔なんて級友から「お前って全国の男子高校生を足して割った平均みたいな顔だよな」と何気無く言われてしまうぐらいのフツメンだ――いや、正直言われた時は反応に困ったが。
しかもテストの点や体育の成績も見事に平均、付いたあだ名はMr.アベレージ、略してレージなんて呼ばれている。
いや、ちゃんとした名前はあるぞ? 親から貰った佐藤浪太という……まあ、あからさまにテキトー感が溢れる名前が。
まあ、それは置いておこう。
とにかく俺は、天から説明役になれとの啓示を受け取った訳だが……だが、だが!
当然、そんな下らんご都合主義に添(そ)うなどという最悪の道を通りはしない!
しかし、だからといって主人公になりたい……という訳でもない。
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