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「あくる。」
「え?あ、はい?」
急に声をかけられたあくるは、気まずい雰囲気で間の抜けた返事をしたのをごまかそうと身動ぐ。
「お前、俺になるんだって?」
「う、うん。そうだけど…。」
「覚悟しときなよ。中途半端な剣じゃ俺になんかなれないから。」
「中途半端っていうか…剣術とかやったことないんですけど。」
「は?」
三人の目があくるを凝視する。
あくるは頬をかきながら、力なく笑う。
「だから教えて欲しいなーって。」
「……全くできない?」
「はい。」
「嘘。無理だよそんなの。あと八か月で天然理心流免許皆伝させんの?誰が?俺が?俺ですら数年かかったのに?……歳さん?」
「こりゃあ流石に無謀じゃあ…。」
「大丈夫!やります!未来を守るのに私も頑張らなきゃならないので!歳さんも教えて下さいねっ。」
「おっおう…。」
近藤さん。
誠の道と未来を守るのは前途多難なようです。
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