始まり

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3歳のとき 俺の家の隣にあいつが引っ越してきた。 ………………………… 「いちのせ はるきです。よろしく。」 「…かみき ゆめかです。よ…よろしくね。」 おとなしい子だな。 それにしても 長くて綺麗な髪だ。 …もしかして、緊張してる? 下ばかり見てるから 顔が分からない。 「ねぇ夢可ちゃん、一緒にあそぼ! 面白い場所知ってるんだ♪ 行こう!」 何も言わずに頷いて、夢可は俺のあとをついてきた。 そのとき ようやく彼女の顔を見ることができた。 大きくて黒目がちな瞳、色白で小さな顔、小さな鼻と口。 可愛い…。 でも そのときは本当にそれだけで 好きとか、 そういう感情はまったくなかった。 .
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