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都市から遠く遠く離れた孤島。
人口およそ五百人。
名は「雉島(きじじま)」。
雉島内にある小さい民家,その一番奥の家に一人の少年がいた。
名は「空上 爽(からかみ そう)」
いつものように父の帰りを今か今かと待ち続ける。
「父ちゃん…遅いね」
爽の母が静かに言った。
すると爽はくいぎみに話だす。
「今日な!今日な!父ちゃんと双黒谷行くねん!晴れとるしな!七夕やしな!天の川見れるねん!」
満面の笑みで喋っている爽を見て,クスッと笑いながら母は返す。
「そっかぁ~」
恐らく今日学校で知ったんだろう。今日が七夕という事も,天の川を見れるということも。
母は爽の部屋を出ていく。
部屋のドアがパタンと閉まるのを聞いて,爽は窓から顔を出し,また…父の帰りを待つ。
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