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というわけで本日二度目のキューズモールでの買い物だった。
特に何の問題もなく、何の出来事もなく、似たようなバッグを買うことができた。
強いて何か取り上げて述べるならば、行き道で再び歩道橋を通ったのだが渡部さんと青木さんが見当たらなかったということだ。
別の所に行ったのか。
もしくは、何か情報を手に入れたのか。
後者なら良いものだが。
まぁそれぐらいかな?
ともかく俺は黒いキャリーバッグを引きながら歩いていた。
「あれ? 屋久島君?」
ふいに声をかけられたのでゆっくり声のした方に振り向くと、そこには俺や昌と三年間同じクラスだった森野 聖(もりの しょう)がいた。
“しょう”という名前から誤解されがちだが、列記とした女の子である。
栗色の髪は胸あたりまで伸びていてウェーブがかかっている。
「久しぶりだね。高校卒業以来かな?」
「そうなるなぁ」
「昌も元気にやってる?」
「あぁ、バリバリ元気だぜ」
「よかった。二人で仕事始めるって聞いた時はびっくりしたけど、なんだかんだでうまくいってるのかな? その様子じゃ」
と、森野はキャリーバッグを見て言った。
「どこか遠くに旅行にでも行くの?」
「ん、ま、まぁな」
まさか今の状況を話すわけにはいかないのでテキトーに話を合わせた。
「いいなぁ。私、海外旅行とかしてみたい」
「バイトしてお金を貯めたらいけるんじゃないの?」
「そうなんだけど、やっぱり大学生の本分は勉強だし」
「ははは」
昌にせよ森野にせよ、どうしてそこまで勉強にひたむきになって頑張れるのだろうか?
一生の疑問。
「じゃあ俺、そろそろ行くわ」
また昌を待たせるのも悪い――というか自分の都合が悪くなるしな。
「あ、そうなんだ……もっと話したかったのに……」
と、残念そうな顔を浮かべる森野。
「まぁまた時間があったら三人で集まろうぜ」
「……そうだね。じゃあまたメールしてよ」
「おう、わかった」
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