曇天でもなかなか…

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目の前に、白亜の城ー… みたいな建物がある。 更和都男子学園。 全寮制の、お金持ちばかりが通う、エリート男子学園。 今年から、通う学園。 ―初めまして。 木ノ衛・T・禅 ーコノエ・チャーリー・ゼンーです よろしくね? 名前でわかるかもしれないけど… 俺はハーフなんだ。 だから、じぶんでも少し変わった容姿をしていると思う。 身長は164.3㎝。 肩に少しかかる程度にのばした少しクセのある髪の毛は、深い黒。 体は華奢で、かなり細い。 肌は白いんだけど、白人というよりは日本人らしい透き通る様な白。 ―以上は明らかに日本人の母似。 でも、少し暗く濁った、しかし澄んだ青の目に長い睫毛、二重の伏せがちな瞼だけは、フランス人の父似。 それでもやっぱり、日本人寄りの顔立ちだけど日本人らしくはなくって…うん、ハーフって感じの顔立ち。 俺の中性的な、というか女性寄りの容姿は男として、なんて軟弱なんだ…と嘆くべきかもしれないけど、俺は気に入ってる。 だって昔から… 『お人形さんみたい』 とか、ちやほやされて、 『ヘッ、こんな弱そうなの、本気を出すまでもねぇぜ…』 とか、喧嘩では油断されて… 凄く便利だったし? 人形みたい、造りものみたい、儚くて守りたい、てよく言われるこの容姿は、自分でも美形だって自覚してるしね。これってナルシスト? そんな俺は、頭はいいほうでね? 家庭も裕福なほうでー… 独り暮らしってしてみたいよね、 て呟いたら、更和都男子学園に通うようにしてもらったんだよねぇ… 設備なんて日本一って言われてるし…調度いいかなって。 しかも、俺は特待生枠をとったから、学費も寮費も、食費以外は免除。 凄く、いいでしょう?  
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