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新潟のオバサンの家。
俺がまだ幼少の頃、長野では無く新潟に住んでいた。そこで新潟のオバサン(母親の姉)に、よく面倒を見てもらったものだ。
そんな俺が何故長野に引っ越したか、それは母親の再婚のためだった。
まあ今日は、暗い話は止めよう。
だって今日は、元旦なのだから。
「あら隆ちゃんも大きくなったね、覚えてるかい?あんたの叔母さんだよ?」
新潟のオバサンは、俺の口だけの「明けましておめでとう」を無視し、自分の顔を指で差した。
「覚えてますよ、幼い頃はお世話になりました」
挨拶もほどほどに、母親とオバサンが立ち話を始めた。
俺は「失礼しまーす」と言ってオバサンの家、つまり母親の実家にお邪魔した。
何故、オバサンが家を離れなかったと言うと…これもまた暗い話になってしまうから止めよう。
懐かしい客間、ここで俺はオバサンとあやとりをした。
オバサンは優しく、見た目だって、十年経った俺の記憶にだって同じ姿に見える。
つまり、オバサンは俺が物心ついた頃と何ら変わらずに若々しいということだ。
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