お年玉の使い道

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デパートのゲームコーナーにたどり着くと、そこには憂君と同い年くらいの子供達がわんさかいた。 俺は新発売のゲームを手にとった。 やはり高い。 そのゲームを棚から持ち上げ、レジに向かおうとして、体を曲げると、あの携帯ゲームが置いてあった。 そこに置いてあったのは、人気RPGのロゴ入りで、その新作RPGのカセットも付いているという優れものだった。 俺は、迷った挙げ句…新発売のゲームを棚に置いた。 「俺って馬鹿かぁ?」 独り言を呟きながら、レジのお姉さんに諭吉三枚と樋口一枚を渡した。 これで、残るは野口一枚。 友達との約束は果たせなかった。 それでもいいか、俺は金持ちとしてでは無く、人間として生きていたいだけなのだから。 車に戻ると、母親が俺の悲しそうな顔を見て言った。 「ふう、さてとオバサンとこ戻るよ!!」 まさかの一言に思わず、何故!?と言い返してしまった。 「あんた、それ憂君のだろう?あんたは金持ちの遺伝こびり付けて生まれたくせに優しいとこあんだよ、私が一番良く知ってるよ?」 俺は笑みを浮かべた。 何故か手に持っていた野口が笑った気がした。
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