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それを、読んだままに、子供のまっさらな心に受け入れてしまったら……。
そんなことを思うと本当に心配でしかたがありませんし、その時期が少しでも遅くなるように日本から離れていたいと考えたのです。
特に、義父や義兄、大楽氏の本を読んだ時の影響を考えたとき、アメリカ行きを決意いたしました。
今はまだ裕哉は、父親は天国に行ってしまったものだと、思っています。だから天国ってどんな所なのかって、すっごく興味があるようです。
でもいつか、聞かれることでしょう「パパは、なぜ死んだの」って。
頻繁にマスコミに流れる義父や義兄が応えた、尾崎 豊に関する死の、謎、疑惑、真実、そして嘘。
いったい、だれに伝えたかったのでしょうか、それらのことを。
大楽氏がどんな本を書いたところで、やっぱり、第三者だから、“あの人の言ってることは違うのよ”って間違いなく言い切れます。
けれど、義父や義兄の言葉は、裕哉にとって自分の父親と同じ血が流れる人達のものです。
私にはわからない。なぜ、義父や義兄があんなにもマスコミや出版物にこだわるのか、が。私一人ではいくら真実の言葉を持っていても、いつか裕哉の心に落ちるであろう影を取り除くことは出来ないかもしれません。
このまま日本にいたのでは、いたずらに裕哉が傷つくのを待っているようなものです。
マスコミの一方的な記事執拗に私たち親子を追い回す記者たち。プライベートなど、どこにもありません。会ったこともない人が私達親子を利用して、我がもの顔で取材と称してカメラと一方的なペンの暴力で営利を追求していく姿にもう耐えられないのです。
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