Prologue

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――side.O 釣れない… なんで釣れないかなぁ… ここは大物いそうなのになぁ… え?なに釣るのって? ――ググ…ッ― 「お?」 この竿のしなり具合は… もう折れる一歩手前だよこりゃ 掛かったのは魚"じゃない"な… とりあえず湖岸から 距離を取るために 相棒片手にタタンっと後ろに跳ぶ ゴゴゴッとかいいながら 湖の水面が波立つ オイラは相棒を抜刀できるように構える 「キシャァァアッ!!!」 「んるせっ」 ド派手な水飛沫と一緒に 湖から飛び出したのは……サメ? なんか大きさおかしいし なんか口んとこシャキーンって でっかい牙?角?みたいなのあるよ でかすぎて逆に竿が掛かったみたい 「キシャァァアッ!!!」 ―――ガガガガッ!!!― 「おわわわっ」 少し身体をうねらせたかと思いきや いきなり突進してきたんだけど… あれ?サメって水ん中の生き物だよね… 深い溝作って陸走ったよあれ 「っひゃぁ…」 何なの…あれ… クジラちゃんみたいなサメ? サメみたいなクジラちゃん? 「キシャァァアッ!!!」 よく吠えるなあれ わお、器用に跳ねて空を飛んでるっ ん?ちょっと待てよ? これこのままいったら… オイラがお煎餅なるっ ―――ズシィィインッ…― 「…っぶねぇ」 何なんだホント…
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