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―――M.
オレが家の中を見回ってると
チャイムが鳴って
少し眠たげな声が聞こえて
他に"ここ"に飛ばされた奴か?
二階にある部屋は全部で五つ
だとすればここに来るのは
オレを含めて五人と考えるのが妥当
一階にはリビングとダイニング
キッチンもしっかりあって
必要最低限の家具や器具はあった
「…住めってか」
とりあえず声がした
一階にまた降りれば
蒼い和服を着た銀髪の野郎がいて
腰には日本刀があり
長い白い腰帯がひらついてる
「…てめぇ誰だ」
「んお?」
振り返ったそいつは
眠たげな灰色の眼をしている
なんだ…?
こいつの魂の"色"が…
明らかに人間のそれとは違う
「…ただの人間じゃねぇな」
そう言えば
少しだけ目を見開いたこいつ
…なるほどな
"訳有り"の奴等が
ここに集められると
考えても良さそうだな
「んひょーっ、お家だよっ
ねっ、君も早くおいでよっ」
騒がしい奴とそれに引っ張られて
入ってきた小柄な金髪
「ありゃっ、先住民がいるっ」
「…るせぇなてめぇ」
オレよりも少し背の高いそいつは
まじまじと覗き込んで来やがる
「…んだよ」
「ひゃひゃっ、なんでもないよんっ」
…何なんだよ…
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