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2人が駅に着き、電車に乗ると乗客は少なく、席が空いていたため、零夜と玲華は2人ずつ向き合うようになっている席に向き合って座った。電車が発車して、しばらくすると玲華は窓側にもたれて、眠り始めた。その寝顔を見て、零夜は素直に可愛いと思ったわけであるが、次第に恥ずかしくなってきたために、顔を背ける。 「……はぁ」 ――やっぱり、好きという事実を変えることはできないか 顔を背けた理由を考え、玲華のことが家族として、異性として好きなのだと改めて認識させられていた零夜であるが、その想いを玲華に伝えるつもりは無かった。玲華もまた、零夜のことを零夜と同じように想っており、そのことを零夜は知っている。それでも零夜は自身の想いは許されない想いなのだと考えていた。零夜と玲華の関係を考えるとその結論に至るのは至極、当然のことなのかも知れない。 ――それでも、今の関係を壊したくない。そんな理由で玲華の想いを知らないふりをして、自身の想いを押さえ込む行為を今は許してほしい。玲華の想いが俺以外の誰かに向くまでは絶対に守る。それが俺の、自己満足な罪滅ぼし。俺は幸せにはなってはいけない そのようなことを考えながら、零夜は外の景色に目を向け、目的地に着くのを待った。
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