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しばらくして目的の駅に着き、電車を降りた2人は学園に向かって歩いている。玲華は、先ほどまで寝ていたからか、たまに目を擦っている。 「あ、夜!」 その玲華が急に呼びかけたため、零夜は玲華が忘れ物でもしたのかと思ったが、表情を見る限り違うようだ。 「クラス!クラスの人たちと夜が仲良くなれるように頑張ろうね!」 「いや、頑張ろうって言われても……」 ――それは頑張ることなのか? 「私も手伝うよ。中学のとき、初めは私も含めて皆、夜を避けてたけど途中から少しずつ仲良くなったでしょ?だから早く馴染めるように頑張ろ!」 「玲華はそれでいいのか?俺は父のことを隠すつもりはない。その俺と過ごすのは玲華も避けられてしまう可能性が十分に高いんだぞ?」 零夜は自身の不幸はいっこうに構わないと考えているが自身のせいで他人が巻き込まれることは絶対に避けたいと考えている。そのため、その可能性のある行動を取らせまいとしている。 「いいよ」 しかし、即答した玲華の表情は真剣そのもの。冗談など微塵も感じさせないものだった。
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