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「一つじゃなくなっているが、いいか。6人だよ」 「……意外と多い」 「6人とも幼なじみ。あの日以降は全く連絡を取ってないけど」 6人とも幼なじみ。その言葉に偽りは無く、力に対して危機感が薄かった頃に打ち明けているために、その6人は零夜の力のことを知っている。そしてその6人は今や、良い意味で有名となっている。それに対して零夜は霧隍の本家や警察、鳳条家などの情報操作で表に出ないようにされている。 ふと、零夜が隣を見ると玲華は零夜のことを見ている。そして、僅かに微笑むと左手の小指を唇に当てた。それは零夜と玲華が決めたもので、零夜の力は応用すれば声を出さずに会話することも出来るため、それを使う合図である。 ―「どうした?」 ―「もしかしてだけどね。その6人は<虹の輝き>?幼なじみが6人は多い気がして、そう思ったんだけど」 零夜は自身の力のことを知る人数を答えるとき、玲華が<虹の輝き>に気がつくことを覚悟して教えた。しかし、これほどにまで早く気がつかれるとは思っていなかったのか、その表情には僅かに驚嘆さが見られた。
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