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――世界暦514年・夏――
――ヴィップ国・アロプス町――
('A`)「見ろよブーン、来たぜ」
空は白みきって、快い朝風が木々の葉を揺らす。
乾いた空気を吸い込んで、空を見上げ、息を吐く。
街の中央にある広場、更にその中央にある朽ちかけた掲示板。
そこに貼り出された一枚の紙は、風にさらわれることもなく、その場に佇んでいた。
('A`)「新兵急募……一週間後の正午から、ヴィップ城下町の国立公園で入軍テストか……」
( ^ω^)「随分急だお。いつもなら一ヶ月前には告知するはずだお」
('A`)「ラウンジの南進の影響だろうな……本格的な戦いになるらしい」
( ^ω^)「兵糧が貯まる秋には……ってことかお……」
('A`)「あぁ……かなりの犠牲が出るだろうしな……。その穴埋めか、もしくは、ラウンジ戦での新戦力か――――」
新戦力。
胸が、高鳴った。
いきなり、戦争に出られるかも知れない。"アレ"を手にして、戦場を駆け巡れるかも知れない。
抱えたいくつかの目的を達成する日が、大きく近付いた気がした。
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