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――ヴィップ城――
黙々と歩き続ける、前後二つの影。
等間隔に並んだ窓から月明かりが射し込み、ショボンとブーンの姿を交互に照らし出す。
あまりに大きな背中。
後ろについていくだけで、精一杯だ、とブーンは思った。
(;^ω^)(……お?)
おかしい、と感じた。
第二軍議室を素通りし、第一軍議室にも向かっていない。
第三軍議室ははるか遠い。
どこへ、行こうとしているのか。
ショボンは変わりない様子で、ただ歩き続けていた。
耐え切れず、声を出した。
(;^ω^)「……あの……ショボン大将……」
(´・ω・`)「軍議室に向かうというのは、嘘だ。 みんなが居たから言えなかったが……これから、城外に出るぞ」
疑問は、悟られていた。
そして、湧き上がる、更なる疑問。
(;^ω^)「じょ、城外ですかお? 何のために……?」
(´・ω・`)「ちょっとな。まぁ、ついてくれば分か――――」
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