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(´・ω・`)「今から城外に出るのも、そういう事情さ」
ショボンが微かに笑った。
確かな足音を響かせ、城門まで歩く。
守兵にショボンが一言声をかけて、城門の側にある扉から城外へ出た。
微風が耳を掠める。
獣の唸り声が遠来する。
閑寂に包まれた原野が、闇色を浮かべて佇んでいた。
しかし、ショボンが向かったのは、その広大な原野ではなく、城下町でもなかった。
ヴィップ城の南に広がる、森。
何かの間違いだ、と思った。
(;^ω^)「あの……ショボン大将……そっちは、"帰らずの森"では……」
有刺鉄線の柵に囲まれ、その柵を何十人もの兵士が見張っている。
その森は、柵を乗り越えて入った者が二度と帰らない、と言われていた。
(´・ω・`)「はは。そうだな。帰らずの森だ」
ショボンの口ぶりは、軽かった。
拍子抜けるほどに。
(;^ω^)「帰らずの森に行くんですかお? 噂では、猛獣の棲み処だとか……」
(´・ω・`)「まぁ、ある意味間違っちゃいないかも知れんな」
(;^ω^)「???」
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