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炎の煌きにも決して負けないほどの輝きを放つ、プラチナブロンドの髪。
波打ち、渦を巻き、背中まで垂れ下がっていた。
細身で、この雑然とした工房には似つかわしくないほどの白い肌が薄汚れた作業着から覗く。
その小さな手に持つ工具ですら、彼女を彩っているように見えた。
八面玲瓏。
その優美さに、暫し呆然としてしまった。
(´・ω・`)「ブーン、こちらはツン=デレートさん。世界一のアルファベット職人だ」
ξ゚⊿゚)ξ「こんばんは」
体中に染み込むような、透き通った声。
凛とした姿勢のまま、手を差し伸べられる。
軽く握り返したあとの右手は、少し汗ばんでいた。
(´・ω・`)「少尉以上になるとツンさんがアルファベットを作ってくれる。 かなりの報酬を支払うはめになるが、アルファベットの出来は間違いなく世界一。 当然、ラウンジやオオカミに命を狙われる存在だ。だからヴィップの兵で守ってるんだ」
(;^ω^)「なるほどですお……」
(´・ω・`)「ヴィップ城に来てくれれば楽なんだがな……」
ξ゚⊿゚)ξ「お城暮らしは性に合いません。それに、この森に住む動物たちを放っておけませんし」
(´・ω・`)「まぁ、それがツンさんの良いところだとは思っている」
ショボンが椅子を引いて、腰掛けた。
ツンは再び部屋の片隅で材料を漁っている。
どうしていいか分からず、右往左往していると、ツンが笑って声をかけてくれた。
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