【第1話 : Road】

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('A`)「一番前に行こうぜ。こっからじゃ試験が見えねぇ」 ドクオに引っ張られ、前に歩み出る。 他の受験者も思考は同じだったようで、皆が続々と試験の見やすい位置へ移動する。 やがて、受験者を取り囲む円が出来上がった。 円の中心では、緊張した面持ちの10人の受験者が、それぞれ、木製の台の前に立っていた。 そして、異彩を放つ、台上。 麗美とも、禍々しいとも思える、鉄。 明らかに、特異だった。 滲み出る汗を、抑えきれない。 ドクオの顔は、興奮からか、緊張からか、赤く見えた。 皆の視線が、ただ台上に。 そこに置かれた、アルファベット、Aに、注がれていた。 先鋭な刃が頂点から山のふもとへと広がり、冠雪を頂いたかのように光り輝いている。 両端の刃を繋ぐ柄は、布で巻きつけられて太みを僅かに増していた。 シンプルな形が、かえってその典麗さを引き立たせている。 存在感溢れる佇みに、受験者たち皆が息を呑んでいた。 (兵`Д´)「試験は簡単だ」 一番背が高く、威圧感を持した兵士が、台の前に立つ。 アルファベットの柄を掴み、掲げ上げた。 (兵`Д´)「このように、アルファベットを、持つだけだ。それができれば、合格だ」
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