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('A`)「一番前に行こうぜ。こっからじゃ試験が見えねぇ」
ドクオに引っ張られ、前に歩み出る。
他の受験者も思考は同じだったようで、皆が続々と試験の見やすい位置へ移動する。
やがて、受験者を取り囲む円が出来上がった。
円の中心では、緊張した面持ちの10人の受験者が、それぞれ、木製の台の前に立っていた。
そして、異彩を放つ、台上。
麗美とも、禍々しいとも思える、鉄。
明らかに、特異だった。
滲み出る汗を、抑えきれない。
ドクオの顔は、興奮からか、緊張からか、赤く見えた。
皆の視線が、ただ台上に。
そこに置かれた、アルファベット、Aに、注がれていた。
先鋭な刃が頂点から山のふもとへと広がり、冠雪を頂いたかのように光り輝いている。
両端の刃を繋ぐ柄は、布で巻きつけられて太みを僅かに増していた。
シンプルな形が、かえってその典麗さを引き立たせている。
存在感溢れる佇みに、受験者たち皆が息を呑んでいた。
(兵`Д´)「試験は簡単だ」
一番背が高く、威圧感を持した兵士が、台の前に立つ。
アルファベットの柄を掴み、掲げ上げた。
(兵`Д´)「このように、アルファベットを、持つだけだ。それができれば、合格だ」
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